「今は要らないけど、いずれ乗らなきゃならなくなるかもなぁ~。40過ぎると免許取るの、大変になるらしいし」
ということで、車の免許を取ったのが39歳の時。自動車学校の門を出て、58になるまでハンドルを握ることは一度もありませんでした。クルマを欲しいと思ったこと、一度もなし。
いや、例外が一つだけ。それが初代コペンです。
「クルマ、欲しいとは思わないけど、買うなら、あれだな」
本気でそう思ったけど、置き場もないし、用もない。金もない。普段の生活はバイクで事足りる。
「コペン、いいな」、と思ったのはボタン一つでハードトップを開閉できるということ。こんなの、軽ではコペンだけですからね。ミニやフィアット500もいいけど、形のおさまりが良くって何より素敵な電動開閉式。この方式だけは、たとえ車重が増えることになったとしても変えない。この一点だけがコペンのコペンたる所以、なんだそうです。こんなの、世界に一つだけ。つまり「世界一!」
だから、初代コペンに乗りたかった。でも、散々悩んでローブにしました。
Dフレームの故に、車体剛性が数倍(!)に増したこと。Dフレームの故に初代コペンのシルエットは諦めるしかなかったこと。でも、世界一水漏れしないオープンカーになったこと。
ネットで現行型は随分ひどく叩かれてるけど、絶対に譲れない電動開閉という一点以外は進化を目指した結果なんだから、叩くのは見当違いだと思います。
三ヶ月ほど前、それを「ダイハツコペン開発物語」(中部博 三樹書房)で知って、なんだかこれまで以上にコペンを好きになりました。